PART4

社会から落伍したり落ちこぼれたと感じている人

アクセスしやすい環境づくりを

 

堀田 最後に今後の展望について、お話しください。

 

石本 介護福祉士は、いま全国に162万人ぐらいいて、三福祉士のなかでいちばん多いですよね。時代のニーズや変化に対して、我々もそれを敏感に察知して変わっていかなければなりません。人材の養成のしかたなども、今までと変える必要があります。社会的評価を上げるために介護の幅広い魅力や力というものを発信しなければならない。現場でさまざまな職種の人たちとチームを構成し、サービスをマネジメントしていく。その中で介護福祉士は、介護職チームの中核的な役割をしっかりと担い、先端技術を駆使しながら、高齢者や障がい者の方を支えていく。多様化するニーズに応えるためのさまざまな知識・技術をよりいっそう高めなければいけませんし、マネジメントスキルを高め、地域の中で活躍できる人材としてより成長していくことが求められています。次の10年後は、そういった点を踏まえ、多種多様な面で応えられる専門職として成長していくことが重要です。

 

堀田 ソーシャルワークにも、いまとても期待が高まっています。

 

西島 やっぱり専門職としての実践がまず問われると思います。地域や地域住民のさまざまな課題の解決に向け実践をまず、しっかり発信し、見える化していく。そのことでより多くの社会福祉士が、地域に、社会

に応える。まさに今、専門職である社会福祉士が、地域のなかでソーシャルワーク機能を発揮することが期待されています。そこにしっかり応える第一歩を踏み出していきたいと思います。

 

柏木 私たちは、精神保健福祉士という仕事の社会的認知度をもっと高めることが重要です。ソーシャルワーカーやソーシャルワークに届かない、アクセスできないで潜在化している人たちに、私たちのような存在が、あなたの身近にいるのよということをアピールしないと、私たちの存在価値はありません。そういう人たちのためにこそ、私たちは存在しているのです。社会的な問題は今後、さらに複雑化していくでしょう。地域自体が弱体化しているので、それにアクセスするしかたすら見失ってしまった状態がどんどん加速化しているのではないかな、と思います。こういった社会自体を変革していくのが私たちの役割。社会から落ちこぼれていったり、落伍していくとご自身で思っているような人たちが何とか私たちにアクセスできるような道すじをつくっていきたいと思います。

 


この鼎談は、公益財団法人社会福祉振興・試験センターの助成により実施しました。


 福 祉 の 

 未 来 を 

 考 え る。

三 福 祉 士 鼎 談

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