私 た ち 介 護 福 祉 士 は 、 高 齢 者 や 障 が い の あ る 方 が
毎 日 安 心 し て 過 ご せ る よ う に 、
「 ふ つ う の 暮 ら し 」 を サ ポ ー ト し ま す
PART 1
時代が変わり多様化する介護と
それを支える介護福祉士の仕事がいま、熱い
堀田 社会福祉士・介護福祉士の資格制度が始まって30年、精神保健福祉士の資格ができてから20年が経ちます。それぞれの歴史を振り返り、この間の社会の変化をどう見ていらっしゃるのか、まずは石本さんにお聞きします。
石本 僕が仕事を始めた30年前と異なり、最近では、介護現場で求められるニーズやご家族からのご要望など、時代とともに変化しています。認知症のケアや、権利擁護的な側面など要素が増え、介護は非常に多様化しています。
西島 昭和62年に社会福祉士・介護福祉士法が成立し、平成に入って、社会福祉士・ソーシャルワーカーという国家資格が誕生。平成 18 年に、地域包括支援センターが誕生して、保健師と社会福祉士の2職種に新たに主任介護支援専門員が加わり、3職種で地域の相談に応えていこうという流れになりました。措置から契約の時代になり、成年後見制度が誕生して、福祉は特別なことではなく身近になりました。
柏木 精神保健福祉士という資格は、施行から20年ですが、私どもの協会自体は、発足してから50数年と長い歴史があります。長い期間、精神科の病院に入院されている方の社会復帰をサポートし、地域で暮らしていただくための相談援助を行ってきました。さらに雇用不安、非正規労働の問題、ブラック企業など、社会は新たな不安を呼び起こし、うつ病や依存症など多くの精神的疾患を生み出しています。そういったメンタルヘルスに課題をもつ人たちに対しても支援できる私たちの役割が見直されつつあります。
堀田 石本さんは介護福祉士として、高齢者の暮らしや環境の変化をどう見ていらっしゃますか?
石本 最近ではスマートフォンやタブレットを、ご利用者がデイに持ち込んで、お孫さんの写真をお互い見せ合うようになっています。利用者の方の生活も様変わりをしています。また複合的なニーズを世帯の中で抱えていらっしゃるご家庭が、ものすごく増えてきています。認知症のお母さんがいらっしゃる家庭のキーパーソンが精神疾患を持っている息子さんであるとか、そのご兄弟がさらに知的障がいをおもちになっているとか。介護の切り口だけで介入しても解決できないことがずいぶん出てきています。そのような状況下、「福祉」の部分でしっかりとアプローチできる介護福祉士ならではのスキルの修得が求められています。
堀田 高齢者の暮らしや価値観、家族の形もずいぶん多様になってきているなかで、さまざまな課題を抱えた方々のまるごとの相談では社会福祉士の役割がますます要になってきていますね。
西島 はい。地域からすると心配な部分が多々あり、そこに私たち社会福祉士が間に入ってお話を聞き、相手の実情なども伝えながら、架け橋となって双方をつなぐ役割を担えたら、と思います。まさに福祉職の出番というか、頑張りどころではないでしょうか。
堀田 精神的な疾患をもつ方々の数も増えてきています。
柏木 はい。精神科、メンタルヘルスという言葉がかなり一般化しています。うつ病などもポピュラーな病気となっていますので、精神科に対する敷居は以前に比べ、低くなっています。